悪しき令嬢の名を冠する者
「訊けば答えてはくれるんだよ。でも核心は、いつもはぐらかされて終わり。
一通めの時も、時間と場所が分かった理由を訊ねたんだけど〝なんとなく〟だからね。
只管、貴方は誰なの? って返事を書いてる。手紙が無くならないところを見ると向こうは読んですらいないのに……色々と、よく分からないんだ」
「その場で読んでる、とか」
「糊付けしてあるから開けたら分かる。綺麗なまま残ってるからそれはない」
「それに手紙はいつも店のどこかにあるんだ。カウンターだったりテーブルだったりね。
そういうところから推察すると、常連客かレジスタンスのメンバーということになる」
俺の言葉に添えるようにベルナールが後付けする。遠くから聞こえる人の声が、だいぶ日が高くなったことを告げていた。
一通めの時も、時間と場所が分かった理由を訊ねたんだけど〝なんとなく〟だからね。
只管、貴方は誰なの? って返事を書いてる。手紙が無くならないところを見ると向こうは読んですらいないのに……色々と、よく分からないんだ」
「その場で読んでる、とか」
「糊付けしてあるから開けたら分かる。綺麗なまま残ってるからそれはない」
「それに手紙はいつも店のどこかにあるんだ。カウンターだったりテーブルだったりね。
そういうところから推察すると、常連客かレジスタンスのメンバーということになる」
俺の言葉に添えるようにベルナールが後付けする。遠くから聞こえる人の声が、だいぶ日が高くなったことを告げていた。