悪しき令嬢の名を冠する者
「成る程ね……でも、だとしたらどうして名乗り出ないんだろう。普通にフィンを通じてレイニーと連絡を取ればいいのに」
「そこはやっぱり〝何者も介したくない理由〟があるんでしょう。そう思わない? 美少年」
「だったら何故レイニーは手紙を見せてくれるの?」
「そう! そこだよ! よく気付いたね。つまり、この手紙は暗喩で成り立っているんだ。二人にしか分からない暗号を使って本当に伝えたいことを隠してる。
まるで軍の機密事項を交換する時のようにね。けれど軍のモノとも違うし、よく分からない。それにどうしてエレアノーラ嬢が〝睡蓮の君〟なんだ?」
「さあ……誕生花でも無ければ共通点も見当たらない。睡蓮が好きなんて話も聞いたことないし……元々あの人は花が嫌いだったから」
「え? レイニーって花が嫌いだったの?」
「ああ」
「でも花に詳しかったよ? しおれてた花を元気にしてくれたし」
「そこはやっぱり〝何者も介したくない理由〟があるんでしょう。そう思わない? 美少年」
「だったら何故レイニーは手紙を見せてくれるの?」
「そう! そこだよ! よく気付いたね。つまり、この手紙は暗喩で成り立っているんだ。二人にしか分からない暗号を使って本当に伝えたいことを隠してる。
まるで軍の機密事項を交換する時のようにね。けれど軍のモノとも違うし、よく分からない。それにどうしてエレアノーラ嬢が〝睡蓮の君〟なんだ?」
「さあ……誕生花でも無ければ共通点も見当たらない。睡蓮が好きなんて話も聞いたことないし……元々あの人は花が嫌いだったから」
「え? レイニーって花が嫌いだったの?」
「ああ」
「でも花に詳しかったよ? しおれてた花を元気にしてくれたし」