悪しき令嬢の名を冠する者
第22輪*side フィン*
「どうして?」
「ちゃんとレイニー様の記憶を持ってるからだ」
「そんなの……」
「訓練すればなんとかなるよ。でもね、それはない」
「なんで?」
「全てが同じ替え玉なんて無理でしょ? それこそ双子でもいない限りね」
「貴族なんだから替え玉くらい……」
「だったら護衛係にそれを隠す理由……待って……一通目の手紙に〝私は君の秘密を知ってる〟的なこと書いてあったよね?」
「ああ」
「それがもしレジスタンスに加担してることじゃなくて〝三年前の性格が変わったこと〟に関してだったら?」
「何が言いたい?」
「ヴェーン家が何かに関わっていたら?」
「何かって?」
「さぁ?」
真面目な顔から一転、からからと笑い出すベルナール。
ロビンと顔を見合わせていれば、彼は手紙に目を落として首を捻った。
「ちゃんとレイニー様の記憶を持ってるからだ」
「そんなの……」
「訓練すればなんとかなるよ。でもね、それはない」
「なんで?」
「全てが同じ替え玉なんて無理でしょ? それこそ双子でもいない限りね」
「貴族なんだから替え玉くらい……」
「だったら護衛係にそれを隠す理由……待って……一通目の手紙に〝私は君の秘密を知ってる〟的なこと書いてあったよね?」
「ああ」
「それがもしレジスタンスに加担してることじゃなくて〝三年前の性格が変わったこと〟に関してだったら?」
「何が言いたい?」
「ヴェーン家が何かに関わっていたら?」
「何かって?」
「さぁ?」
真面目な顔から一転、からからと笑い出すベルナール。
ロビンと顔を見合わせていれば、彼は手紙に目を落として首を捻った。