悪しき令嬢の名を冠する者
第24輪*side レイニー*
*
「お前は何故、宝石に目を付けたんだ」
「藪から棒にどうなさったの? というか、知ってらしたのね? 私が何故ガストン様を選んだか」
「分からないという方が無粋だ。むしろ分かりやすかった」
「フィンは分からなかったわ」
「レジスタンスの連中には分からないだろうな。勿論、俺が協力しなかった理由も」
「未来が見えないからでしょう? だから私は貴方が此方側に落ちてくるように仕掛けた。結果、貴方は気付いてくれたわ。私のサインにね」
「悪くなかったよ。でも、どうして、それに気付いた? きっかけは無かったのか?」
「お腹が空いたって物乞いしてくる子供がいたのよ。ヴィンスなら何をあげる?」
「お腹が空いたって言ってたなら食い物かな」
「言ってなかったら?」
「物乞いなんて金か食い物だろ」
「そう……そうよね。でも私は花をあげたの?」
花? と素っ頓狂な声を出すヴィンスは、食事中にも関わらずテーブルに肘を附いている。それを咎めれば先を急かされた。
「お前は何故、宝石に目を付けたんだ」
「藪から棒にどうなさったの? というか、知ってらしたのね? 私が何故ガストン様を選んだか」
「分からないという方が無粋だ。むしろ分かりやすかった」
「フィンは分からなかったわ」
「レジスタンスの連中には分からないだろうな。勿論、俺が協力しなかった理由も」
「未来が見えないからでしょう? だから私は貴方が此方側に落ちてくるように仕掛けた。結果、貴方は気付いてくれたわ。私のサインにね」
「悪くなかったよ。でも、どうして、それに気付いた? きっかけは無かったのか?」
「お腹が空いたって物乞いしてくる子供がいたのよ。ヴィンスなら何をあげる?」
「お腹が空いたって言ってたなら食い物かな」
「言ってなかったら?」
「物乞いなんて金か食い物だろ」
「そう……そうよね。でも私は花をあげたの?」
花? と素っ頓狂な声を出すヴィンスは、食事中にも関わらずテーブルに肘を附いている。それを咎めれば先を急かされた。