悪しき令嬢の名を冠する者
「ええ。とても大切なお話ですわ」
「聞いて差し上げてもよろしくてよ?」
「では有り難く。エレアノーラ様はヴィンセント様を愛してらっしゃるの?」
「それはもう……愛しく思っているわ。ヴィンスも私のことを〝我が君〟と言ってくださってるしね。私達は愛し合っているのよ」
嘘八百だ。けれど、そう思わせておかなければ後々面倒なことになる。割り込んだり、詮索したりせぬよう釘を差しておく必要があった。
「聞いて差し上げてもよろしくてよ?」
「では有り難く。エレアノーラ様はヴィンセント様を愛してらっしゃるの?」
「それはもう……愛しく思っているわ。ヴィンスも私のことを〝我が君〟と言ってくださってるしね。私達は愛し合っているのよ」
嘘八百だ。けれど、そう思わせておかなければ後々面倒なことになる。割り込んだり、詮索したりせぬよう釘を差しておく必要があった。