悪しき令嬢の名を冠する者
「私と友達になって欲しいと言いましたの!」

「貴女、御自分が何を仰てるか分かってるかしら?」

「勿論です!」

「カタリーナ、だったかしら?」

「まぁ、もう呼び捨て? 私、嬉しいわ!」

「癪だからカタリーナ様と呼ぶわ。貴女、私が憎くないの?」

「どうしてそんなことを仰っるの?」

 なんだこの女は。人の腕に絡みつき、無邪気に笑うカタリーナ様。先程の修羅場一歩手前の雰囲気など既に霧散している。

 私は嘆息を零し彼女を見据えた。
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