悪しき令嬢の名を冠する者
「愛しい殿方の愛しい人とは仲良くしたいでしょう?
 それにエレアノーラ様はヴィンセント様に愛されている、と言ったわ。私もヴィンセント様に愛されたいの。
 ですから仲睦まじいお話を是非私に! そしてご教授を!」

「ご教授って……何を仰っているのか分かってる?」

「ええ。妻として愛人と仲良くするのは当然でしょう?
 それにエレアノーラ様は素晴らしいわ。こんなに美しいのに、しっかり御自分を持っていらして」

 褒められると悪い気がしないのが人の性。けれど、それよりも滾る感情が私の中にはあった。
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