悪しき令嬢の名を冠する者
「ユアン」

「はい」

「お前の目に俺達はどう映っている?」

「どういう意味でしょう?」

 俺の質問に対し、慎重に言葉を紡ぐユアン。眉を顰める俺を静かに見下ろす瞳が面白くない。

 しかし、この心が晴れないのは彼のせいではないのだ。俺は苛立ちを心の奥に押しやり疑問を投げ掛けた。
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