悪しき令嬢の名を冠する者
「次は失くさない」

「はい。ヴィンス様、私が御供致します。地獄の果てまでも」

「縁起の悪いことを言うな」

「申し訳ありません。きっと夜明けは、あと僅か。皆様に勝利の女神が微笑むことを祈っております」

「レイニーが上手くやってくれる。俺達の手で彼女を勝利の女神にするんだ」

 そしたら想いを伝えよう。平和が訪れた世の中なら、この想いも赦される。

 腰を抱き寄せて通じ合ったダンスを踊るのだ。皆が手を叩いてくれたなら、どんなに幸せだろうか。
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