悪しき令嬢の名を冠する者
第4章「アスター」
第29輪*side フィン*
「採用は貴方だけね。ロビン」
レイニー様の声に場が騒然とする。当然だ。散々馬鹿にした人間〝のみ〟が合格という称号を得たのだから。
今日は従僕の試験日。八人の美少年は各々得意げに課題をクリアしていた。
しかし、その最中、妨害を受けたのがロビンだ。中流階級の彼らは庶民のロビンが許せなかったのだろう。ポッと出の彼を他の受験者は除け者にした。
乗馬の試験では馬を興奮状態にされ、トランプでは立てたタワーを倒されていた。勿論「わざとじゃないよ」という台詞付きで。
馬は宥められなかったものの、崩されたトランプを掻き集め、華麗なマジックを披露したロビン。ピンチをチャンスに変える手腕は、とても鮮やかで俺は感嘆を漏らした。
だからこそ選ばれたというのに、不満を呈すあたり頭はそれほど良くないらしい。
尤も、美しさを武器にした彼らだ。〝どちらも〟だなんて望み過ぎだということは分かっている。
レイニー様の声に場が騒然とする。当然だ。散々馬鹿にした人間〝のみ〟が合格という称号を得たのだから。
今日は従僕の試験日。八人の美少年は各々得意げに課題をクリアしていた。
しかし、その最中、妨害を受けたのがロビンだ。中流階級の彼らは庶民のロビンが許せなかったのだろう。ポッと出の彼を他の受験者は除け者にした。
乗馬の試験では馬を興奮状態にされ、トランプでは立てたタワーを倒されていた。勿論「わざとじゃないよ」という台詞付きで。
馬は宥められなかったものの、崩されたトランプを掻き集め、華麗なマジックを披露したロビン。ピンチをチャンスに変える手腕は、とても鮮やかで俺は感嘆を漏らした。
だからこそ選ばれたというのに、不満を呈すあたり頭はそれほど良くないらしい。
尤も、美しさを武器にした彼らだ。〝どちらも〟だなんて望み過ぎだということは分かっている。