悪しき令嬢の名を冠する者
「従僕の仕事は屋敷ごとに違うのよ。我が家でやってもらうのは、主に私の付き人ね」

「それだけ?」

「ええ。元々、従僕は観賞用だからすることがないの。メイドが掃除する時に家具を動かしたり、給仕をしてみたり、その程度なのよ。でも観賞用だから制服はこれ」

「ショートパンツにガーターベルト……」

「ええ。これが正装」

「そうですか……」

「ストッキングもあるわよ」

「げっ……」

「本当に素直ね。ロビンは」

 レイニー様が笑声を上げる。綻んだ素の表情に微笑ましい心持になった。
< 184 / 374 >

この作品をシェア

pagetop