悪しき令嬢の名を冠する者
「お二人は仲良くできないんですか?」

「私は仲良くしたいと思っているわ。ねぇ、ロビン。戦場での殉職で一番多い理由をご存知?」

「部下の裏切」

「ええ。今の状態だと背中を見せた途端、刺されておしまいね」

 からからとした笑い声が響くが笑いごとじゃない。俺は密かにロビンと目を合わせ、胸中で唸った。

「だからベルナールには背中を預けることが出来る人間になって欲しいんだけど……今のままじゃ無理そうね。だから貴方が私を〝保障〟してくださる?」

「え?」
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