悪しき令嬢の名を冠する者
 今の時代を強く生きていこうと綴られた詩に込められた本当の意味に私は震撼した。



 共に国を滅ぼそう。

 革命を起こそう。

 勇気ある者は酒場で待つ。



 何故、分かってしまったのだろう。今迄の私なら何も気付かず流し読みしていただろう文章だ。

 頭の良い〝今の私〟と、国の崩壊を知る〝前の私〟が在るだけで、この国の未来が手に取るように分かった。

「フィン……お前は私を馬鹿にしているのかしら」
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