悪しき令嬢の名を冠する者
「それで仲間に?」

「うん。根競べをして勝ったんだ。
 絶対に許さない。貴族と王族を殺してやる。そう思ってたよ。ヴィンスとレイニーに会うまでは」

「ヴィンスと私?」

「うん。ヴィンスは俺に王家の現状を教え、レイニーは女でも出来ることがあると教えてくれた」

「私が使えるのが女の武器だっただけの話よ」

「どうせ傲慢な人間しかいないと思ってたからね。でも二人は俺に未来を見せてくれた。この二人なら、もしかしたらって……だからお願いがあるんだ」

「お願い?」
< 235 / 374 >

この作品をシェア

pagetop