悪しき令嬢の名を冠する者
第5章「ヒヤシンス」
第39輪*side レイニー*
「エレアノーラ・ヴェーン=テンペスト=ステュアート。反逆の罪で拘束させて頂きます」
羊紙を胸元に掲げた男が衛兵を引き連れ私に罪を突き付ける。吃驚に目を瞠っていれば、フィンが私を庇うように間に割り込んだ。
「そんなものは冤罪だ」
「しかし令状が下っています」
「レイニー様は、そんなことしていない」
「これは任意ではありません。そしてフィンレイ・ミルウッド。貴方にも容疑が掛かっています。此れより、お二方を拘束後、護送致します。抵抗はなさいませんよう」
「嫌よ。そんなもの身に覚えはないわ」
「やれ」
「触らないでちょうだい! 無礼者!」
私の抵抗などものともせず、両手に枷が付けられる。フィンも早々に取り押さえられ私は唇を噛んだ。
羊紙を胸元に掲げた男が衛兵を引き連れ私に罪を突き付ける。吃驚に目を瞠っていれば、フィンが私を庇うように間に割り込んだ。
「そんなものは冤罪だ」
「しかし令状が下っています」
「レイニー様は、そんなことしていない」
「これは任意ではありません。そしてフィンレイ・ミルウッド。貴方にも容疑が掛かっています。此れより、お二方を拘束後、護送致します。抵抗はなさいませんよう」
「嫌よ。そんなもの身に覚えはないわ」
「やれ」
「触らないでちょうだい! 無礼者!」
私の抵抗などものともせず、両手に枷が付けられる。フィンも早々に取り押さえられ私は唇を噛んだ。