悪しき令嬢の名を冠する者
*
「どうだった? 中々の演技だったろう?」
「ベルナール。もう少し優しくてもよかったと思うわ」
「いやぁ、早くしないとフィンが暴れ出すんじゃないかと思ってね。実際あの状況ならエレアノーラ嬢を連れて逃げるでしょ?」
「作戦中にそんなことはしない」
「そう? にしても、美少年の機転には恐れ入ったよ。あの屋敷から、どうやって連れ出そうか、いい案が無かったからねぇ」
「とか言って。ベルは、あの屋敷に俺を置いてくつもりだったくせに」
馬車に乗り込むやいなや言葉の応酬が始まる。付けられた枷はロビンの手によって素早く外され、いつしかフィンの両手も自由になっていた。
「どうだった? 中々の演技だったろう?」
「ベルナール。もう少し優しくてもよかったと思うわ」
「いやぁ、早くしないとフィンが暴れ出すんじゃないかと思ってね。実際あの状況ならエレアノーラ嬢を連れて逃げるでしょ?」
「作戦中にそんなことはしない」
「そう? にしても、美少年の機転には恐れ入ったよ。あの屋敷から、どうやって連れ出そうか、いい案が無かったからねぇ」
「とか言って。ベルは、あの屋敷に俺を置いてくつもりだったくせに」
馬車に乗り込むやいなや言葉の応酬が始まる。付けられた枷はロビンの手によって素早く外され、いつしかフィンの両手も自由になっていた。