悪しき令嬢の名を冠する者
第47輪*side レイニー*
*
「フィン!」
「ベルナール!?」
「話は後だ。持ち場は変更。お前はエレアノーラ嬢を侯爵様の元へお連れしろ」
「何故レイニー様が戦場に!?」
「黙れ。リーダーは俺だ。
背を合わせてる間に道を開く。お前はそのまま彼女を連れて走れ。場所は、その女が知ってる」
「なんでメイドのマリーが!?」
「いいから戦え。口じゃなくて手を動かさないと死ぬぞ」
肉を切り裂く音。鉛の弾が飛び交う虚空。風を切る剣の舞。それらを調べに交わされる言葉。全てが如実に表していた。此処が戦場であることを。
自らの姿を眺め、私はドレスに手を掛けた。布を引き裂く音が、やたら大きく響く。手で切り裂いたそれを投げ捨て、飾りのリボンで髪を高く括った。
「フィン!」
「ベルナール!?」
「話は後だ。持ち場は変更。お前はエレアノーラ嬢を侯爵様の元へお連れしろ」
「何故レイニー様が戦場に!?」
「黙れ。リーダーは俺だ。
背を合わせてる間に道を開く。お前はそのまま彼女を連れて走れ。場所は、その女が知ってる」
「なんでメイドのマリーが!?」
「いいから戦え。口じゃなくて手を動かさないと死ぬぞ」
肉を切り裂く音。鉛の弾が飛び交う虚空。風を切る剣の舞。それらを調べに交わされる言葉。全てが如実に表していた。此処が戦場であることを。
自らの姿を眺め、私はドレスに手を掛けた。布を引き裂く音が、やたら大きく響く。手で切り裂いたそれを投げ捨て、飾りのリボンで髪を高く括った。