悪しき令嬢の名を冠する者
第50輪*side レイニー*
*
「ユアン! どうだ!?」
「負けだ。逃げろ」
「え?」
「フィンは死んだ。王子もヴェーン侯爵様に殺されるだろう」
「見捨ててきたのか」
「エレアノーラ様を守れとの命だ」
「そうか……そう……じゃあ死ぬなよ。前世からの運命、なんだろ?」
「ああ」
「じゃあ、そんな2人に朗報だ」
「エレアノーラ様、お久し振りです」
「カタリーナ様!? どうして!?」
ベルナールの陰から、ヒョッコリと現れた彼女は純粋に再会を楽しんでいるように見える。
戦場に似つかわしくないほど満面の笑みを浮かべる様は異様だった。
「ユアン! どうだ!?」
「負けだ。逃げろ」
「え?」
「フィンは死んだ。王子もヴェーン侯爵様に殺されるだろう」
「見捨ててきたのか」
「エレアノーラ様を守れとの命だ」
「そうか……そう……じゃあ死ぬなよ。前世からの運命、なんだろ?」
「ああ」
「じゃあ、そんな2人に朗報だ」
「エレアノーラ様、お久し振りです」
「カタリーナ様!? どうして!?」
ベルナールの陰から、ヒョッコリと現れた彼女は純粋に再会を楽しんでいるように見える。
戦場に似つかわしくないほど満面の笑みを浮かべる様は異様だった。