悪しき令嬢の名を冠する者
「レイニーが逃げたすぐ後に問われたんだ。〝本当に国の頭になる覚悟はあるのか〟と。答えは決まっていた。だから首を縦に振ったんだ。そしたら彼は玉座へ向かい王の首を落とした」
「え……?」
「よく分からないまま勝利を治めた俺達は手厚い看護を受け、この通り。ヴェーン侯爵は俺達の企みに全部気付いていたらしい。
でも転び方を見て、どちらに付くか判断しようとしてたんだそうだ」
「お父様らしいわね……」
「元々そういう人なのは知っていたけど少し見誤っていたよ。恐ろしいことこの上ない。でも、だからこそ彼を参謀にした」
あまりにも突飛な言葉に驚いた。いくら勝利を治めたと言っても、あの日を忘れたわけでもあるまい。
しかし、彼らしいとも思った。このくらい沈着でなければ、王になど向かない。
「え……?」
「よく分からないまま勝利を治めた俺達は手厚い看護を受け、この通り。ヴェーン侯爵は俺達の企みに全部気付いていたらしい。
でも転び方を見て、どちらに付くか判断しようとしてたんだそうだ」
「お父様らしいわね……」
「元々そういう人なのは知っていたけど少し見誤っていたよ。恐ろしいことこの上ない。でも、だからこそ彼を参謀にした」
あまりにも突飛な言葉に驚いた。いくら勝利を治めたと言っても、あの日を忘れたわけでもあるまい。
しかし、彼らしいとも思った。このくらい沈着でなければ、王になど向かない。