悪しき令嬢の名を冠する者
「やっぱり言うしかないんじゃないかしら?」

「そうね……貴女の素直さを見習ってみようかしら」

「ええ。エレアノーラ様」

「なにかしら?」

「国に帰ったら、私と遊んでね?」

「え?」

 この問い掛けの意味はすぐに分かるだろう。

 ヴィンセント様とユアンの影を感じながら、私はエレアノーラ様に満面の笑みを向けた。
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