悪しき令嬢の名を冠する者
第9輪*side フィン*
「ユアン」
「フィンじゃないか! 今日はデートかな?」
「俺はユアンに声を掛けたんですが、何故ヴィンセント様が返事をなさるんですか」
「ユアンとの会話は俺を通してからにしてもらおうか」
「普通、逆だと思いますが」
「いいじゃないか。楽しいのが一番だ。なぁ、ユアン」
「そうですね」
「ユアンは相変わらず王子に甘いな」
薄暗い廊下の先には煌びやかな空間が広がっている。丸テーブルが三つに簡易的なバーカウンター。ココ一つでも十分〝店〟としてやっていけそうだが、ベルナールがそうすることは無いだろう。
「フィンじゃないか! 今日はデートかな?」
「俺はユアンに声を掛けたんですが、何故ヴィンセント様が返事をなさるんですか」
「ユアンとの会話は俺を通してからにしてもらおうか」
「普通、逆だと思いますが」
「いいじゃないか。楽しいのが一番だ。なぁ、ユアン」
「そうですね」
「ユアンは相変わらず王子に甘いな」
薄暗い廊下の先には煌びやかな空間が広がっている。丸テーブルが三つに簡易的なバーカウンター。ココ一つでも十分〝店〟としてやっていけそうだが、ベルナールがそうすることは無いだろう。