悪しき令嬢の名を冠する者
第12輪*side フィン*
「王子を此方側に落として、貴族側との繋がりも持ちたい。そう言ったのはベルナールだろ?」
「確かに言ったね。けれど令嬢と繋がりを持ちたいと言った覚えはないよ」
「あの人は頭がいい。下手な貴族と癒着するより、女を使ってあらゆるところから金を落として貰える。ばれにくいし、額も得られる。不都合は無い筈だ。
女の身ともあれば密会をしていても名を落とすだけで済む。レイニー様は、わざと名を落とし、あちこちに伝手を残してから此処に来た。
協力的じゃないユアンより、よっぽど役に立つと思うけど」
「僕は国を壊すことに反対なだけで、王子が選んだ方に従うよ。それが役目だからね」
「だから王子が協力しないなら手を貸さない。酒場にも訪れない。なのにレジスタンスのメンバーには身を置く。おかしくないか?」
「もー二人共、喧嘩はダメだよー。ユアンとヴィンスのお陰で助かってたのは事実なんだから。宝物庫の場所、とかね」
「商売人はえげつないね」
「あっさり酒場の店長じゃないって見破られてたくせに」
目を眇めるベルナールにユアンは肩を竦める。追い討ちを掛けるように続ければ揺らがないベルナールがいた。
「確かに言ったね。けれど令嬢と繋がりを持ちたいと言った覚えはないよ」
「あの人は頭がいい。下手な貴族と癒着するより、女を使ってあらゆるところから金を落として貰える。ばれにくいし、額も得られる。不都合は無い筈だ。
女の身ともあれば密会をしていても名を落とすだけで済む。レイニー様は、わざと名を落とし、あちこちに伝手を残してから此処に来た。
協力的じゃないユアンより、よっぽど役に立つと思うけど」
「僕は国を壊すことに反対なだけで、王子が選んだ方に従うよ。それが役目だからね」
「だから王子が協力しないなら手を貸さない。酒場にも訪れない。なのにレジスタンスのメンバーには身を置く。おかしくないか?」
「もー二人共、喧嘩はダメだよー。ユアンとヴィンスのお陰で助かってたのは事実なんだから。宝物庫の場所、とかね」
「商売人はえげつないね」
「あっさり酒場の店長じゃないって見破られてたくせに」
目を眇めるベルナールにユアンは肩を竦める。追い討ちを掛けるように続ければ揺らがないベルナールがいた。