不器用な暴君社長
section3
気がついて目を開けると、服がはだけて、身体に力が入らなかった。
そして、何故かソファの下で正座して、社長がブツブツ何かを言っている。
…もしかしなくても…私…
社長とやっちゃった?
「しゃ、社長…」
私が呼ぶと、社長はビクッとして振り返った。
「わ、悪い…
でもお前が煽ってくるのが悪いんだぞ。」
やっぱりしたんだ…
初めては好きな人とって決めていたのに…
ポロポロと涙が溢れてくる。
「初めてだったのに…」
思わず、声が漏れてしまう。
「…泣くな…
俺が悪かった。
…ただ、俺はなんとも思ってないやつとなんかやらない。
それに…」
…
あの暴君社長がしどろもどろだ。
いつもの俺様が無くなっている。
「お前が……だ!」
「ふぇ?」
なんて言ったのか、聞こえなかった…
「お前が好きだって言ったんだよ!
なんとも思ってない奴のことなんか抱けるか!」
…
八つ当たりみたいに言われた。
だけど
本当に?
誰でも良かったって訳じゃ無かったんだ…