不器用な暴君社長
「俺が責任取ってやるから、俺と結婚しろ!」
…なんか色々ぶっ飛んでる…
「急にそんな事言われても…」
「俺だって、いきなり抱くつもりなんてなかった。
初めてはちゃんとした場所でやってやるつもりだった。
それまでに、落とそうと思って、行ったこともないケーキ屋に買いに行ったり、お前のこと調べたり…
とにかく、お前は俺と結婚すればいいんだよ!」
…
ケーキ、貰ったんじゃなかったの?
この暴君社長が、ケーキ屋でケーキを選んでいるところを想像すると、笑えてくる。
調べたって言うのは、さっきの紙の束だろう…
きっと、私がケーキを好きなのも、付き合ったことが無くて、初めてなのも調べたんだろう。
この社長…仕事は出来るのに、プライベートは不器用なんだろうな…
素直になれず、こんな言い方しか出来ないんだ。
だけど、それを知ってしまうと、嫌いにはなれなかった。
酷いことをされたはずなのに…
初めてを取られたのに。
だから…
「私と結婚したいなら、私を落としてみてください!
そしたら、結婚します。」
「…上等だ!すぐに落としてやるよ。」
その日から、社長の猛アタックがはじまった。
…end