不器用な暴君社長
チーンと軽い音が鳴って、エレベーターが止まる。
最上階に着くと、社長室が目の前にある。
今まで、地味だった私には、縁のない場所だった。
なのに、来る日があるなんて…
ガチャとドアを開けた社長は私を招き入れた。
「…」
ビクビクしながらも、ゆっくり入ると、社長が後ろ手にドアを閉める。
そして、ふかふかなソファにどかっと座って、私を見た。
「お前が掛けたお茶が熱い。まずは拭け。」
そういえば、あのお茶熱湯入れてたんだ…
「は、い。」
社長室には給湯室が付いていたので、タオルを持って行って濡らした。
それを急いで社長のところに持っていく。
「あ、あの…拭くので上を脱いで頂いても…いいですか…?」
怖々そう聞くと、社長はニヤッと笑う。
「お前が脱がせろ。」
「ぇっ…」
「なんだ、できないのか…じゃあ…」
「まって!できます!」
絶対、社長私の反応みて、楽しんでる…
「だったら、早くしろ。」
震える手で、ネクタイを解き、ワイシャツのボタンを外していく。
ひとつずつ外す事に、社長の胸板が露になる。
全部外し終わった頃には顔が沸騰しているみたいに燃えていた。
「どうした?固まってるけど?」
そりゃそうだ。
今まで男性経験は全くと言っていいほど無い。
なのに、こんな近くで男の人のしっかりした体を見たら、固まるに決まってる。
それに、何故か色気が半端なかった。