不器用な暴君社長
section2
ピリリリ…ピリリリ
社長にお茶をぶちまけてから3日間、特に何もなく平和に過ごしていた。
というより、私がやらかしたことが会社全員に知られているから、“社長に勝ったすごい人”と何故か噂になっていた。
そんな時に、私のケータイに知らない番号から電話が来た。
誰だろう…
「もしもし…」
(おせぇよ。俺からの電話は1コールで出ろ。)
…
えっ…
「社長!?」
なんで番号知ってるの?
(いいから、お前、さっさと来い!)
そう言って電話は切れた。
来いって、社長室にってことだよね…
今日の仕事はもう終わったから、行けないことは無いけど…
でも、ここで私に行かないっていう選択肢は無いんだろう…
行かなかったら…って思うとあとが怖い。
「はぁ…行くか…」
荷物をまとめて、エレベーターで上に向かう。
社長室に行くのは2回目だけど緊張する。
チーンとエレベーターが鳴り、ドアが開く。
社長室の前で深呼吸をしてから、コンコンっとドアを叩いた。