不器用な暴君社長
社長はケーキ食べれないから、残飯処理の為に私を呼んだのかな…?
でも今“お前はほんとに、ここのケーキが好きだな”って言った?
好きだってこと、前から知っていたの?
「あの…社長、どうして私がケーキ好きだって知ってるんですか?」
「あ?お前のことなら調査済みだ。」
そう言って、紙の束を見せて来た。
「えっ?ちょっと…見せてください!」
「やだ。」
私が取ろうとした紙を社長はサッと上に上げる。
「そんなの勝手に調べないでくださいよ!」
身長の低い私は、身長の高い社長には、かなわない。
必死に取ろうとしていると、いつの間にか社長の上に跨っていた。
「社長!それください!」
「だめ。」
ソファの上だったから、バランスを崩して、覆いかぶさる形になる。
「きゃあ!」
だけど、それも一瞬で、いつの間にか私がソファの上に寝っ転がる形で下になっていた。
「そんなに責められると、俺も我慢が効かないけど?
襲ってほしいわけ?」
冷たい瞳に見つめられて、思わずドキッと胸が高鳴る。
「そ、そんなこと…」
気がつくと、私の唇と社長の唇の距離が無くなつていた。