君とのゲームの行方
 ふふん、と得意満面で言う茜。俺は大げさに悔しい顔をする。これも小学生の頃からの習慣なのだが、ゲームで負けた方がかるーく勝った方の言うことを聞かなければいけないのだ。

 だけど、今のようにジュース買ってきてだとか、肩揉んでだとか、宿題の手伝いといった、ほんとに些細なことであったが。

 てゆーか、俺最近本当にこいつに勝っていない。まだ高校生のくせにおっさんみたいなことを言うけれど、近頃のゲームはどうも操作が難しくて、あまり好きではない。

 そういえば、ゲーマーの親父が俺にくれたレトロなゲームでは、結構この女に勝てている気がする。そうそう、スーパーファ〇コンのマ〇オカートとかなら。

「なぁ、あとでスーファミやろう。マ〇オカー……」

「やだ。」

 俺が言い終わる前に、茜はにべもなく言った。俺は虚を突かれて、一瞬瞳を見開く。が、すぐに気を取り直して茜に問い詰める。

「な、なんでだよ!」

「負けるから。マ〇オカートは」

 あっけらかんと茜は言った。――は、何を言ってやがるんだこの女は。

「なんだよそれは! 今まで勝ってたからいいじゃねーかよ!」

「えー。だから嫌なんじゃんよー。せっかく女王様気分になれたって言うのにさー」

「おめーは女王と言うより魔王だ!」
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