君とのゲームの行方
 白く透き通った頬と首筋。形のよい鎖骨が目に飛び込んでくる。潤んだ大きな瞳に、少しだけカールした長い睫、艶かしい唇。艶やかで思わず触りたくなる、サラサラとした髪。

 俺はごくり、と唾を飲んだ。

 ――こいつ、いつの間に。

「……どいて」

 茜は少しだけ頬を赤らめて、俺から目を背けると、ぶっきらぼうに言った。俺ははっとして、焦ったように答えながら、飛びのくように起き上がった。

「……! ご、ごめん!」

 そして、俺が退けると、茜は何も言わずに身を起こした。俺と目を合わせようとしない。俺はなんだか知らないけど、すごくどぎまぎした。いけないことをしてしまった気がした。

 ――おい、弘人さんよ。

 今、お前何を考えた?

 俺が何も言わずにいると、茜はすくっと立ち上がり、すたすたと部屋の出口に向かった。俺は焦りながらも、何も言わずにその姿を見守る。すると茜はドアのノブに手をかけながら、振り返ってこう言った。

「帰るね」

 精一杯笑っている茜の表情が、ぎこちなく思えたのは俺の思い違いでは決して無い。俺は確信した。

「う、うん」
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