君とのゲームの行方
 必死に平静を装いながらも、噛んでしまった俺の言葉には何も答えずに、茜は俺の部屋から出る。そして後ろ手で、静かにドアを閉めた。そして階段を下りる音が聞こえた後、階下から話し声が聞こえた。きっと茜が俺の母親か妹辺りに、帰りの挨拶をしているのだろう。

 俺はベッドに身を投げた。そして仰向けになって、天井をぼうっと見つめる。

 ――あいつはいつから女になったんだ。いつの間に、俺とあいつは純粋に一緒にいれないほど成長してしまったんだ

 なんだかすごく恥ずかしくなった。耳が熱くなるのを俺は感じた。枕に顔をうずめようと思ったが、無いことに気づく。そうだ、さっき茜に投げつけたから、絨毯の上に転がっているはずだ。

 物心ついた頃から一緒にいる奴に、こんな思いを抱いてしまうなんて、俺は酷く背徳感を覚えた。だけど、さっき目にした茜の唇、茜の瞳、茜の白い肌が、頭にやきついて、離れてくれなかった。
< 7 / 22 >

この作品をシェア

pagetop