夏恋(ナツコイ)!
「……やっぱり、もういいや」
ため息とともに吐き出して、
「……今日は泊まりは中止して、もう帰ろうか」
仕方なさそうにも言われて、
「えっ、どうして…?」
と、聞き返した。
「……どうしてって、わかってるよね」
意味がわからなくて、だけど場の雰囲気の悪さに何も答えられずにいると、
「はぁ…」と、またため息をつかれて、
「言わなきゃわからないとか、すごい屈辱なんだけどさ、」
そう前置きをして、
「……夏季ちゃんは、気づいてないだけで、」
私の顔をじっと見つめると、
「……きっと、浩平のことが好きなんだよ」
そう続けられて、
「……えっ」
と、声が詰まった。