夏恋(ナツコイ)!
「……それはたぶん、あいつも一緒だと思うから」
しばらくの沈黙の後で、そう確信めいた言い方をされた。
「……そんな、私が…あいつのことなんて……」
急な指摘に言いよどむのに、
「いいから、あいつのところに行きなって。俺は一人でホテル泊まってくから、だから帰りな」
と、持ってくれていた旅行カバンを手渡されて、
「あいつに会って、ちゃんと気持ち確かめて来なって。ほら、行きな」
と、背中を押し出された……。