夏恋(ナツコイ)!
-3-
……唐突に、浩平との愛を確かめたらと告げられたけれど、
あんな奴相手に恋愛とかすぐには考えられそうにもなくて、納得がいかないまま地元まで帰ってぼんやりと家に向かっていた。
……と、
「……あっ」
目の前から当の浩平がやって来た……。
「……浩平」
「……夏季」
お互いに立ち止まって見つめ合う。
「……なんでおまえがこんなとこにいるんだよ?」
浩平が口を開いて、
「そっちこそ、なんでよ……?」
なぜだか目をそらして、ぼそぼそと尋ね返す。
「俺は別に……おまえは、雅和と泊まりなんじゃなかったのかよ?」
「……なんで知ってんのよ……」
相変わらず目を合わせられないままで口にすると、
「……昨日、あいつに聞かされたんだよ。明日おまえと海に行くって」
そう答えられて、
なんて言ったらいいかわからなくなって、また黙り込んだ。