夏恋(ナツコイ)!
浩平とは、小さい時からの幼なじみでもう20年来の付き合いにもなる。
ふたりともハタチを過ぎて、大人の付き合いにでもなるかと思いきや、顔を合わせれば毎度こんな感じで、子供の頃をまるで抜け出せていなかった。
「だいたいもう誘ってこないでくれる? あたしだって、一応オンナなんだし、そういうこと言われると傷つくんですけど」
「だったらおまえだって、俺に誘われたからってホイホイOKすんなよ。俺もたいがい繊細なんだし、おまえごときにそんなん言われたら傷つくわ」
まったく、ああ言えばこう言う。
私たちみたいなのを腐れ縁っていうんだ、きっと。
ああ早くかっこいい男の人と出会って、浩平なんかと不毛な縁を断ち切りたいーせっかく、夏なんだし!
……とか思ったところで、出会いの予定なんかあるわけでもないし、この見飽きた顔と向き合ってお酒飲むしかないなんて。
つくづく不毛に感じるし、こうやってまた夏が過ぎていっちゃうのかな。
なんて考えてたら…………