夏恋(ナツコイ)!
「今日は、ワンピースなんだ。かわいいね」
顔を会わせるなり言われて、
ああ、こんなこと浩平になんか言われたこともないしーこういうところがハイスペックだっていうの。
イケメンとフツメンの差ってば、こういうところなのよ。
と、ひとり頷く。
「でも、OKしてくれてよかったよ。行ってくれないんじゃないかとも思ってたから」
「え、どうしてですか?」
さりげなく手が繋がれて、少しだけ照れつつ答える。
「いやだって、」
ふと言葉を切って、
「俺より、浩平の方がいいんじゃないかなと思ってたから」
そう言ってくるのに、
「へっ? どうして浩平なんか?」
比べものにもならないのにと思う。
「本当に、好きじゃないんだ? 」
もう一度念が押されて、
「好きなわけないじゃないですかーあんなヤツ」
と、即答で返して、
だけど、浩平が雅和さんと同級生だったおかげで出会わせてくれたのなら、感謝くらいしないとねと感じた。