溶けろよ、心
「真由の放送聞いてみたーい」

「今度の体育祭で、司会とかしないの?」

「し、しないよ!引退してるもん」

本当は、3年でもやりたければできる。だけど私は、引退前にすでに断ってしまった。


「そっかー。でもさ、話すの苦手なのに放送部入るなんてすごいね。勇気いったでしょ?」

「ものすっごく!部室入る時とか足がプルプルしたもん」

私が必死に言うと、みんなが笑った。


「あはは、真由がこんなに話すとは思わなかったよ」

「ね、話しかけに行けばよかった〜」

2人がそう言うと、るいがエッヘン!とドヤ顔をして腕を組む。

「ずるいるい!」

「ずるいるい!」

「あだ名みたいにするな!」

みんなと話すのは楽しくて、時間があっという間に感じられた。
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