溶けろよ、心
「なんか、2年の時にちらっと噂がたってたような気がする。志賀が橘って人とデートしてるのを見た!みたいな」

「えっほんとに?」

ナツキが驚いた目で私を見る。


きっと、2人で出かけた時に誰かに見られていたんだろう。
広まらなかったのは晴斗が否定したからで……たぶん。





「み、見間違いじゃない?ねえ、真由」

るいが焦ったようにアシストしてくれる。

「え……ああ、うん。私、志賀くんと話したことそんなにないし」

必死に誤魔化すと、2人はすぐに信じてくれた。


「なーんだ、そっかー」

「うん」

梨菜は、変なこと言ってごめんね、と苦笑いをした。
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