溶けろよ、心


「じゃあ今日は、これで解散!」

「受験がんばるぞー!!」

幹事のナツキと山下くんの合図で、みんなバラバラに散っていく。



ナツキと梨菜は自転車で来たらしい。

私は、るいと2人で駅まで歩いた。


「真由、最後の方具合悪そうだったけど、大丈夫だった?」

晴斗の話を聞いた後はもう何も頭に入らなくて、相槌ばかり打っていた。
るいは、それに気づいていたらしい。

私はこくんと頷いた。

「志賀くんのことは、もう大丈夫なの?」

私はもう一度頷いた。


るいは心配そうな顔をしていた。



だけど、こんなこと……言えない。




晴斗に他の女の子とキスしてほしくない。

なんて、醜い感情なんだろう。
< 108 / 334 >

この作品をシェア

pagetop