溶けろよ、心

少し、痩せたな……。


俺は、橘の背中を撫でた。



橘は立ち直ってなんかいなかった。
ずっと心に隠していたんだ。



「……晴斗が…………」

橘の口から初めて聞いた、志賀の名前。

一瞬、息が止まるかと思った。


激しい感情が自分の中で生まれて、固く目を閉じた。



「……晴斗が……好き…」
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