溶けろよ、心

「さっきはびっくりしました。覚えていてもらえてるなんて」

「そりゃあ覚えてるわよ。先生だもん。

……大きくなったねぇ」


先生が、まるで母親みたいに優しく微笑むから、私は恥ずかしくなって少し下を向いた。


「ねえ、晴斗くんとは、今も仲良いの?」


「ええ?そんなことまで覚えてるんですか?」


「2人のことは、先生たちみんな話してたもの。ラブラブねって」


「ラブラブって……」


「いつも2人で一緒にいたじゃない。晴斗くんね、毎日のように私に言ってきてたのよ、

『僕は真由ちゃんと誕生日が一緒なんだよ!いいでしょ!』って」


もうほんとにかわいい〜と、先生は頬を抑えた。
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