溶けろよ、心

晴斗、そんなこと言ってたのか……。

小さかった頃の晴斗を思い出す。


「最近は、あんまり会えない?アイドルは忙しそうだもんね」


「…はい。……晴斗、東京に行っちゃいました」


「そう…」

先生は少し、悲しそうな顔をした。

でもまたすぐに笑顔になった。


「だけど、嬉しいな」

「えっ?」


「失礼かもしれないけど、今の真由ちゃんの寂しそうな顔見てたら。
今でも晴斗くんとつながってるんだなあって思ったから」


先生は、壁にはられた園児たちの絵を見渡した。
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