溶けろよ、心
◎11歳
*
「もう体調は大丈夫ね」
朝、玄関で私を見送るとき、お母さんが言った。
「うん。大丈夫だよ。行ってきます」
「行ってらっしゃい!」
お母さんの声を背に、私は家を出た。
しかし、その足が向かうのは学校ではない。
学校って、無断で欠席するとどうなるんだろう。
きっと、学校から家に電話がかけられるに違いない。
そうしたら、お母さんは私のケータイに電話をかけるはずだ。
私は、ケータイの電源を切った。
帰ったらお説教だろうな。
それでもかまわないくらい、私は。
「もう体調は大丈夫ね」
朝、玄関で私を見送るとき、お母さんが言った。
「うん。大丈夫だよ。行ってきます」
「行ってらっしゃい!」
お母さんの声を背に、私は家を出た。
しかし、その足が向かうのは学校ではない。
学校って、無断で欠席するとどうなるんだろう。
きっと、学校から家に電話がかけられるに違いない。
そうしたら、お母さんは私のケータイに電話をかけるはずだ。
私は、ケータイの電源を切った。
帰ったらお説教だろうな。
それでもかまわないくらい、私は。