溶けろよ、心




『ほら、これっ…!』

息を切らした晴斗が戻ってきた。


持っていたのは、2本のラムネだった。

ビー玉が入っているタイプの、瓶のあれ。


『家にあったの持ってきた!』

近所の自分の家まで、取りに行ってくれたらしい。


『あ、ありがとう…』

晴斗からラムネを受け取る。
中のビー玉が、キラリと輝いた。




『な、真由、せーのでプシュッてやろう』

晴斗が子どもみたいなことを言う。


『いいね』

私もそれに乗っかる。


『せーのっ』


プシュッ。
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