溶けろよ、心




先生と別れた後、私は最寄り駅にいた。

財布の中身を確認する。大丈夫、足りそうだ。
切符を買う。


先生との話で、博物館に行きたくなった。その5年生のとき以来だ。



電車に揺られていると、町田くんと電車に乗った日を思い出した。

匂いも、感触も、はっきり思い出せるくらいの思い出。


今、また町田くんに心配をかけているだろう。
メールが来ているかもしれない。



ケータイの電源を入れようか迷って、やめた。
< 162 / 334 >

この作品をシェア

pagetop