溶けろよ、心
*
電車に乗り、地元に帰ってきた。もう外は薄暗い。
昼ごはんを食べるお金がなかったので何も食べていない。
ぐうっとお腹が鳴る。私は、駄菓子屋に行こうと思っていたことを思い出した。
駄菓子を買うくらいのお金はまだある。
私は駄菓子屋さんの戸を開けた。
「はい、いらっしゃい」
駄菓子屋のおばちゃん、少し背中が丸まって白髪が増えている。
だけど、醸し出す雰囲気が、変わってないよって言っているみたい。
私は、昔懐かしの10円とか20円の駄菓子をいくつか買って帰った。