溶けろよ、心







「あんた、なにやってたの!?」

わ、忘れてた〜〜!

思い切り普通に家に帰ってきてしまったけれど、今日は学校をサボったんだった。


玄関で、まるで緒方先生みたいに仁王立ちをして待っていたのは、紛れもなくお母さん。


「ケータイの電源切ってたでしょ!なにやってんの!」


「ご、ごめんなさい!」

ここは素直に謝ることにする。


「心配かけてるのよ。先生もお父さんもみんな心配してたんだから」


「うん…」

「どこにいたの。こんな時間まで」




「……言わない」
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