溶けろよ、心
*
「あんた、なにやってたの!?」
わ、忘れてた〜〜!
思い切り普通に家に帰ってきてしまったけれど、今日は学校をサボったんだった。
玄関で、まるで緒方先生みたいに仁王立ちをして待っていたのは、紛れもなくお母さん。
「ケータイの電源切ってたでしょ!なにやってんの!」
「ご、ごめんなさい!」
ここは素直に謝ることにする。
「心配かけてるのよ。先生もお父さんもみんな心配してたんだから」
「うん…」
「どこにいたの。こんな時間まで」
「……言わない」