溶けろよ、心
「あれ、これ俺らが表紙の雑誌じゃん。買ってくれたの」
ラックにあった雑誌を、ベットの上に座った晴斗がひょいと持ち上げる。
まずい、恥ずかしい!
そのラックに入ってる雑誌、全部Answerが載ってる!
「だ、だめ!」
晴斗の手元に手を伸ばす。
勢いあまって私は晴斗の上に倒れ込んでしまう。
「きゃ!」
どうしよう、心臓がうるさい。
「相変わらず危なっかしいね。真由」
テレビで見せない顔。私にだけ見せる、意地悪な顔だ。
もっと心臓がうるさくなる。嫌だ、もう好きでいたくないのに。