溶けろよ、心
『妹そんな渋いの喜ぶかな?あ、こういうのの方が良くない?』
その子は不思議そうに聞いてきた。
彼女がオススメしてくれたのは、人気キャラクターの京都バージョンのストラップだった。
『あ!これ菜穂好きなやつ!』
菜穂のことになると周りが見えなくなる私は、ストラップに飛びついた。
『あはは、びっくりした〜!真由ちゃん勢い良すぎ!』
『あ、ごめん……』
『ううん。妹のこと大好きなんだね』
『うん!すっごいかわいいの』
私が興奮気味に菜穂の話をしていると、近くにいた晴斗が鼻で笑うのが聞こえた気がした。
振り向いてみたけど、晴斗は他の友だちと話していて、気のせいだったようだ。