溶けろよ、心



目的地、京都タワー。

ずーっと話している晴斗とあの子。

『志賀くんは京都来たことある?』
『いや、初めてだよ』
『そうなんだ〜私も!』





思い出したくもない胸の痛みが、蘇ってくる。

きっと喧嘩なんてしていなかったら、こんな気持ちにはならなかった。





やっぱりあの時の喧嘩は、まぎれもなく、


史上最長にして、最悪の喧嘩だった。

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