溶けろよ、心
駅から学校までバスで送られ、学校のグラウンドで解散となった。
重たい荷物を持ったままの疲れ気味な生徒たちは、遅めの足どりでそれぞれの家へと帰っていく。
私もその中の1人で、晴斗のことを考えながら、とぼとぼと家路についていた。
家が見えてきた頃、玄関の前に大きな荷物を抱えた人影が見えた。
誰……?
その疑問はすぐに晴らされた。
アスファルトの上の小石を蹴りながら、不機嫌そうな顔で足元を見ている。
『晴斗!』